太陽が沈んだ後の西空に、月と並んで明るく輝く星を見たことがありますか?
二つの天体が寄り添うように輝く様子は、かなり印象的な光景です。
この明るく輝く星について調べました。
月の右下のとても明るい星は金星!
https://twitter.com/yukaron1/status/1457627537169735680?s=20
上の写真は2021年11月8日の夕方に撮影されました。
月の右下に見えるとても明るい星、これは金星です。
夕方、西の空に見える金星は「一番星」「宵の明星」とも呼ばれ、日没後の空にひときわ輝いて見えます。
この11月8日の昼間には、金星食という珍しい天文現象が起きていました。
上の写真は、金星食が終わって数時間後の光景です。
11月8日に起こった金星食とは?
11月8日(月)、2012年8月14日から9年ぶりの #金星食 があります。
— 学芸員@大阪市立科学館(休館中) (@gakugei_osm) November 5, 2021
昼間の13:44~14:26に金星の前を月が通過していきます。潜入時と出現時が見どころです。
晴れますように…。
次は15年後、2036年9月17日です。
※太陽を見ないようにお気をつけください。石坂 pic.twitter.com/2oUtLxw64X
金星食とは、地球から見て月と金星が重なるために、金星が月に隠されて一時的に見えなくなる天文現象です。
月に隠されて太陽の一部が欠けて見えたり、あるいは太陽全体が見えなくなったりする「日食」は、広く知られている現象ですね。
同じように惑星が月に隠されてしまう現象が「惑星食」で、隠される惑星によってそれぞれ「水星食」「金星食」「火星食」「木星食」「土星食」などと呼びます。
金星食は珍しい天文現象で、上のツイートにもあるように、日本の広い地域で観測されたのは2012年8月14日以来9年ぶりになります。
そして次に金星食を見られるのは15年後の2036年9月17日だそうです。
また、今回の金星食は昼間に起こりましたが、金星食が夜間に起こる場合もあり、夜間の金星食のほうが昼間よりはっきりと観察できます。
次に日本で夜間に金星食が起こるのは、42年後の2063年5月31日です。
金星食をとらえた動画・画像
#国立天文台 三鷹キャンパスにある50センチ公開望遠鏡で、本日11月8日14時37分に起きた #金星食 の出現の撮影に成功しました。(映像クレジット:国立天文台) pic.twitter.com/xzCKnMGsE0
— 国立天文台 (@prcnaoj) November 8, 2021
月に隠されていた金星が出現する様子を撮影した動画です。
うっすらと見える月の後ろから金星が姿を現してきます。
金星が半月のように右半分だけ白く見えるのは、右側から太陽に照らされているためです。
11月8日、福岡や大分などでは金星が部分的に月に隠される、さらに珍しい現象が観測されました。
下の画像はその「金星の部分食」をとらえたものです。
半月状の金星が、まるで月に刺さっているかのように見えます。
出典:せんだい宇宙館
金星はいつ見える?
金星が見えるのは朝か夕方だけです。
金星は太陽を回る軌道が地球よりも内側なので、地球からは常に太陽側に見えます。
このため金星が夜中に見えることはありません。
一方、昼間は空が明るいので金星は見えなくなります。
したがって地球からは朝か夕方しか金星が見えないのです。
2021年12月ごろまでは、金星は夕方、西の空に見えます。
いわゆる「宵の明星」です。
その後2022年1月下旬ごろから、明け方の東の空に金星が見えるようになります。
これは「明けの明星」と呼ばれるものです。
金星は形も大きさも変化する
金星は太陽との位置関係によって満ち欠けして見えます。
これは月が満ち欠けするのと同様です。
一方、金星は月とは異なり、地球からの距離によって見かけの直径が大きく変化します。
地球からの距離が遠いときは、地球から見る金星は小さく、丸に近い形です。
地球に近づくと、金星の見かけの直径は大きくなりますが、形は欠けて細くなります。
金星の形や大きさの変化は、肉眼では金星が遠すぎるのでよくわかりません。
天体望遠鏡などで観察すると、金星の満ち欠けや大きさの変化がよくわかります。
月と金星が並んで見えるのはいつ?
月と金星は約1か月ごとに繰り返し接近するため、月と金星が並んでいる様子はわりと頻繁に観察できます。
2021年11月8日の次に月と金星が接近するのは、同年12月7日です。
国立天文台のサイトでは、指定した日時・場所の星空をシミュレーションできます。
いろいろと入力して試してみると面白いですよ!
月の右下のとても明るい星は何?いつ見える?まとめ
この記事では、2021年11月8日に観測された金星食や金星がいつ見えるかなど、金星にまつわる話題をご紹介しました。
金星の英語名Venus(ヴィーナス)は、ローマ神話における美の女神の名に由来しています。
朝や夕方の空に輝く女神を探してみませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。