鬼と畜生で「鬼畜」、日々起こるさまざまな痛ましい事件の報道を見ていると世の中に実際にそう呼んでも不思議ではないような人たちが存在していることが分かります。
ところで、米国とはアメリカ・英国とはイギリスのことですが、それらの国と「鬼畜」を合わせた「鬼畜米英」という言葉は聞いたことがありますか。
鬼畜米英はどういう意味?
鬼畜米英、文字通り「アメリカやイギリスが鬼畜生だ」という意味です。
今もしもSNSで呟いたら炎上間違いなしの過激な発言、この言葉が使われたのはどういった時代だったのでしょう。
言い始めた時代背景は?
新型コロナウイルスのせいで海外旅行がすっかり下火になっているものの、その前まではアメリカに留学したりイギリス旅行に行ったりといったことを行う日本人は多く、円満な関係を築いていました。
ですがそれはあくまでここ最近の事、第2次世界大戦頃まではこれらの国は敵国だったのです。
1941年の真珠湾攻撃にあたりスローガンとして使われたのがこの「鬼畜米英」です。
「米鬼」なんて言葉も、その当時のメディアで当たり前に用いられていたのです。
子供たちが絵本などでも親しむ昔話でも、鬼は出てきます。
赤鬼に青鬼、それはそのまま赤ら顔や白人ゆえの白い顔をした外国人を模したものです。
同じ人間を倒すのは抵抗を感じる方もいるでしょう。
ですから、敵である彼らは「鬼」・倒さなければならない悪い存在としたわけです。
ちなみに、ソ連に攻撃されたのは終戦直前のことですし中国は蒋介石政権が敵というだけで、南京の汪兆銘は支持しています。
「鬼畜露国・鬼畜中国」といった言葉が無いのはそういった事情からです。
日本から近い国ですからロシア人や中国人のことは知っている日本人も多くいました。
彼らをも「鬼畜」なんて呼んでると、鬼畜米英が真実ではないことがばれてしまうのではといった懸念もあったのかもしれません。