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千と千尋で「おんもは体に悪い」という坊のセリフがありますが、これはどういう意味を表しているのでしょうか。

そもそも『おんも』という言葉の意味ですが

おんも
〔名〕 (「おも(面)」の変化した語) 幼児語 家の外 おもて
*滑稽本・玉櫛笥(1826)「外(オンモ)へ行ってお昼まで遊んで来なさい」
引用元:https://www.weblio.jp/content/%E3%81%8A%E3%82%93%E3%82%82

上記のようにあかちゃん言葉らしく、方言などではないようです。

すなわち、上記を踏まえて直訳すると「家の外は体に悪い」となりますが、一般論からすると家の外は体に悪いよりかはむしろ、体に良いようなイメージが湧くと思います。

外に出ず室内に引き籠もっているよりかは外で遊んでいるほうが活発で健康的なイメージがありますよね。

それなのにどうして坊はそのような言葉を発したのかというと、これには湯婆婆の坊に対する過保護なイメージを表すものだと思います。

実際『おんも』は体に悪くないのにどうして坊は『おんも』は体に悪いと教えられてたのでしょうか。

湯婆婆は『おんも』には色んなばい菌、暑さ寒さ、冷たい風、強すぎる日光、それらは「体の弱い児(と思われている児)」にとっては悪い作用をするから、このような意味も含めて湯婆婆は坊を絶対に外に出させず、そばに置いておきたいという過保護な印象を視聴者に植え付けていたのではないのでしょうか。

ただ物語の最後に、坊が千尋と一緒に外の世界を経験してきて湯婆婆の元へ帰ってきたときに少し大人びた姿を披露していたシーンがありますが、これには宮崎駿監督の「どんなにかわいいわが子でも一度は外の世界を旅させたほうが良い」といった思いが含まれているのかもしれません。

昔に比べて、最近のこどもは親が過保護なことも多く宮崎駿監督なりの時代を風刺した表現だったのではないのでしょうか。