イーサリアムのガス代はどういったものなのか、その仕組みや必要性を疑問に思ってはいませんか?
そこでこの記事ではイーサリアムのガス代のとは何なのか、その節約方法やリアルタイムチャートの確認方法、安い時間帯や高騰しているのは本当なのかを調査しました!
この記事でイーサリアムのガス代についての疑問を解消してください。
イーサリアム ガス代とは?
ここではイーサリアムについて、イーサリアムのガス代とその必要性についてをまとめています。
イーサリアムとは?
イーサリアム(Ethereum)というのは、分散型のアプリケーションプラットフォームで、スマートコントラクト機能を備えています。
イーサリアム上で使われている通貨はイーサ(ETH)と言います。
ブロックチェーン上でプログラムを作ることができるため、アプリの開発も盛んに行われています。
イーサリアムの特徴としては、スマートコントラクトによって取引を自動化し、さらに独自のトークンを発行することも可能です。
ビットコインよりも複雑な取引や契約ができ、その取引に使うブロックの生成間隔も、ビットコインは約10分かかるに対し、イーサリアムは約15秒となっているため大量の取引をスピーディーに行うことが可能となっています。
スマートコントラクトとは
イーサリアムはゲームやアプリ開発のベースとして使うことができます。イーサリアムのブロックチェーン上でプロブラムを作ることで、ゲームやアプリを配信することができるのです。
イーサリアムのガス代とは?
イーサリアムのガス代というのは、送金の際の承認手数料になります。
ユーザーが行いたいトランザクション(取引)に対して、計算ステップがどれだけ必要かの指標となっています。
ブロックチェーン上で仮想通貨の送金をする際には、送金を認めてもらう必要があり、その承認に必要なデータの計算処理(マイニング)を行ってくれる「マイナー」への手数料が発生します。
ビットコインの手数料はこれだけですが、イーサリアムではスマートコントラクトの実行にも手数料が発生してきます。
イーサリアムのガス代は、この2つの手数料の合計となっているのです。
ガス代が必要な理由
イーサリアムでガス代が必要な理由としては、2つが挙げられます。
・ネットワークの負担軽減
イーサリアムの仮想通貨は、ビットコインに次いで時価総額2位の、知名度の高いアルトコインです。
そのため、世界中でイーサリアムを利用した送金件数が増えると、ネットワークに過大な負荷がかかってしまいます。そうなると送金スピードも落ちてしまうことになるのです。
それを防ぐためにも、ガス代という制度を使って、一定のラインを超えないようにコントロールしています。
そしてトランザクションには情報の正確さを確認する作業が不可欠であり、マイナーがいなければ健全なネットワークは成立しません。
このマイナーへ手数料の一部が報酬として支払われる仕組みになっており、イーサリアムでのトランザクションの正確性を保っています。
ガス代はマイナーへの負担と、ネットワークの負担の軽減にとても重要な役割を担っています。
セキュリティ面が強化される
イーサリアムでは過去に、Dos攻撃等のサイバー攻撃を受けたことがあります。
そのような不正対応にも、ガスが重要な役割を果たしています。
イーサリアムでは全てのトランザクションにガスが発生する仕組みです。
これは攻撃する側にも例外なくガスを課すものとなっているため、攻撃する側もガス代を支払わなければなりません。
これによって悪意あるユーザーが「ガス代を支払うリスクを負ってまで攻撃するのはやめておこう」と考えるよう促す効果があり、攻撃を抑制することができます。結果としてサイバー攻撃から守ることに繋がるのです。
トランザクション(取引)におけるガス代の役割
トランザクションにおけるガス代は、ユーザー側で上限を設定することができます。マイナーはガス代が高く設定されているものから、優先して承認作業を進めます。
したがって、このガス代が低いとマイナーに後回しにされしまうことになるのです。
そうなるといつまでも承認されず、取引ができないという事態が起こる可能性もでてきます。
ガス代は、ブロックチェーンを機能させるために、マイナーにトランザクション承認を行ってもらう「燃料」としての役割があるのですね。
ガス代の計算方法
ユーザーが支払うガス代は【ガスプライス×ガスリミット】の計算式で算出されたものが最大値となります。
トランザクションの状況に応じ、この計算式で算出された最大値を超えない金額が、ガス代として支払われる仕組みです。
ガスリミット(Gas Limit)
ガスリミットは、支払うガスの最大値です。トランザクションのデータの大きさで決められています。このリミットを設定することによって、エラー等が発生した場合にもガスを支払い続けてしまうといったことがなくなります。
ガス代はガスリミットを上げてトランザクションの申請をしても、承認スピードが変わる訳ではありません。しかしガスリミットを下げて申請した場合は、承認されない又はかなり時間がかかるといった可能性があります。特別な理由がない限り、このガスリミットをユーザーが変更する必要はありません。
ガスプライス(Gas Price)
ガスプライスはガスの単価のことで、1Gas当たりの値段になります。単位は【Gwei】です。
ガス代の最大値は、このガスプライスを変更することにより決定します。
イーサリアムのトランザクション量が増えれば増えるほどGweiが大きくなり、トランザクション量が減るとGweiは小さくなります。
ガス代の計算式
ガス代の計算はガスの最大値から、実際に使用されたガスを差し引いた額になります。
トランザクションを申請する前にガス代の目安を確認したい場合は『ETH Gas Station』から、現在の入力したガスに対してトランザクションがどれくらいで完了するかを見ることができます。
頻繁にブロックチェーンゲームを行う人にとっては、とても便利なツールとなっています。
イーサリアム ガス代の節約方法は?
ガスを高く設定しても承認スピードが上がることはありませんが、低く設定してしまうと承認されない可能性もでてきます。
しかし、できるだけガス代は抑えたいと思いますよね。
ここではガス代の節約法についてまとめました。
適切なガス代を把握する
ガス代は低く設定してしまうと承認までに時間がかかったり、承認されなかったりする可能性があります。
いくらガス代を安く済ませたいからと言っても、承認されなければ意味がありません。
そのようなことにならないためにも、トランザクションを申請する時点の適切なガス代を把握しておきましょう。
ETH Gas Stationのツールを利用することで、現時点での適切なガス代を確認することができます。
それから使用しているウォレットによっては、初期設定のガス代が適切なガス代よりも高くなっている場合があります。
常に実行する前にはETH Gas Stationを利用して適切なガス代を把握しておくことで、承認の時間をかけず、損をする可能性を低く抑えることができます。
トランザクションの空いている時間を狙う
1度に多くのトランザクションの申請があるとマイナーの処理が追い付かないことがあります。その場合は高いガス代から優先してマイナーはトランザクション承認を行います。
ガス代を抑えるためにはトランザクションが空いている時間帯を狙うことをおすすめします。
トランザクションの申請が少なければ、低いガス代でも承認が通りやすくなります。
時間帯を変えてプレイすることで、トランザクションの申請少なく、承認が通りやすい時間帯を把握しておくことでガス代を安く抑えることができる可能性が高まります。
リスクがあっても安く抑えたい場合
ガス代は適切な額に設定することでスムーズなトランザクションを行うことができますが、承認に時間がかかってもいい、たとえトランザクションが失敗しても構わないという時には、ガス代を低く設定してみるというのも一つの手段です。
その時の状況によっては承認され、トランザクションが成功する可能性もあります。
ただし、失敗したくない場合はリスクが大きい方法ですので、やめた方がいいでしょう。
イーサリアム ガス代の現在のリアルタイムのチャートの確認方法は?
イーサリアムのガス代のリアルタイムのチャートについてはイーサリアムプライスというサイトで確認することができます。
こちらのサイトを見てみると、リアルタイムのチャートが表示され、確認することが可能となっています。
引用:イーサリアムプライス
ガス代の相場を調べるときに役に立ちます。
そしてこちらのサイトでは、ヒートマップも提供されており時間帯別のガス価格も確認することができます。
トランザクションの申請に適した時間帯を見つける手助けをしてくれますよ。
引用:イーサリアムプライス
色が濃くなっている部分が、ガス代が高くなっていることを表しています。
このヒートマップからは木曜日の午前8時~9時の時間帯でガス価格が高くなっていることがわかります。
ガス代を節約したいときに目安として役立ててみてください。
イーサリアム ガス代の安い時間帯は?
では、実際にガス代が安い時間帯はいつになるのでしょうか。
先ほどご紹介しましたサイト:イーサリアムプライスを確認することで、ガス代が安い時間帯をある程度把握することが可能です。
時間帯別のガス価格が表示されているヒートマップを見ると、日本時間では昼間がガス代を安く抑えられていることがわかります。
反対に深夜から午前中は比較的ガス代は高めになっています。
曜日ごとに見ると、日本時間の水曜日と木曜日がトランザクションが頻繁に行われている結果となっています。
今回のヒートマップからは土日の日中がガス代を安くできる時間帯となっていますが、必ず最新の情報を確認してからトランザクションの申請をしてみてください。
イーサリアム ガス代が高騰してるって本当?
イーサリアムのガス代は高騰しています!
2021年6月~8月は一気に下落し、2021年5月は日本円で5000円程もあったものが、6月には500円程度にまで下がりましたが、現在はまた高騰しています。
それにはDeFi(ディーファイ)市場の拡大と、NFTブームの到来があります。
・DeFi(ディーファイ)とは・・分散型金融のことで、銀行やなどといった中央集権的ではなく、ネット上の個人のネットワークを利用した金融サービス。
・NFTとは・・代替不可トークンのこと。ブロックチェーンから発行されるトークンで、デジタル所有権を証明してくれる。発行されたNFTと同じNFTは世界に2つと存在せずコピーができないという特性をもつ。
DeFiの多くにイーサリアムのスマートコントラクト機能などが採用され、DeFi市場の拡大とともに、ガス代は高騰し始めました。
そしてNFTのブームにより、様々なNFTマーケットプレイスが誕生し、NFTのトランザクションが活発になっていきます。
トランザクション承認では、マイナー側で高く設定されているガス代を優先して承認作業を進めていくことができます。これもガス代高騰の一つの要因となっています。
なぜなら、トランザクション量が増えると、マイナー側はより高くガス代を設定しているものから作業を優先します。そうすると、優先して承認されるためには、ユーザー側がより高いガス代の設定をする必要性が出てくるからです。
ガス代はマイナーにとって報酬です。できるだけ高いものを優先してしまうのは仕方がないことですよね。
イーサリアムのガス代は2020年1月頃には日本円でおよそ9円程だったものが、2021円5月には5000円近くまで跳ね上がりました。その後は一時下がったものの、現在はまた高騰しています。
ガス代の高騰については今後、イーサリアム2.0の最重要マイルストーン「The Merge」が予定されています。
これは現行のPoWチェーンをPoSチェーンへ統合することでマイニングを廃止するものになります。最新のロードマップによりますと、これは2022年に実装予定となっています。
このことからイーサリアムのガス代は下がるのではと考えられます。
まとめ
イーサリアムのガス代について調べてみました。
イーサリアムのガス代が高いのは、その人気を裏付ける証明です。
しかし、少額のトランザクションにも高額の手数料がかかるというのは、避けたいものですよね。
今後もイーサリアムはますます注目度は上がり、需要が増える可能性が高い仮想通貨だと思われます。
一時は需要の多さにイーサリアムの性能が追い付かず、ガス代が高騰したため他のブロックチェーンへとユーザーが流れましたが、今後はより環境が改善されることが期待されます。
最新のロードマップを確認しつつ、様々なツールを上手く利用しガス代を節約しましょう。