電気設備によく書かれている「KVA」と「KW」という単位。
見たことはあるものの、その違いを正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。
そこでここでは、それぞれの単位の意味や計算方法、さらにはその違いを解説します。
KVA(キロブイエー)とは?
KVAはVAの1000倍を表す単位です。
そしてこのうち、Vは電圧、Aは電流を意味します。
そしてこれらをかけ合わせた、V(電圧)×A(電流)がVAです。
読み方はアルファベットそのままに、ブイエーと読みます。
KW(キロワット)とは?
KWのKも、KVAと同じく1000倍を表す補助単位です。
そのため、このKWはWの1000倍にあたります。
そしてこのWは、先程のV(電圧)×A(電流)に力率と呼ばれる「cosθ」をかけることで、求められます。
なお、この力率というのは、VAをどれだけの効率で実際に使えたかを表す数字です。
KVAとKWの違いは?
このようにKVAとKWの違いは、力率をかけることで電力の損失を考慮しているかどうか、という点ににあります。
そのため、KVAについては「皮相電力」と、KWは「消費電力」あるいは「有効電力」と呼び分けられています。
なお、この皮相というのは、物事の表面やうわべを意味する言葉で、KWと違ってKVAは、実際の損失分を考慮していない理論上の値に過ぎません。
ただ、一般的な家庭で使われる家電製品は、いずれもこの力率がほぼ1です。
ゆえ、家電製品の取扱説明書を見ても、「KVA」か「KW」のどちらかしか書かれていないことがほとんどです。
一方で、より大きな電力を使う業務用冷蔵庫や業務用エアコン導入時の力率は1より小さくなり、値に明確な違いが生じます。
KW的には大丈夫に見えても、実際にはKVA相当の電流が流れます。
ブレーカーが落ちて使い物にならない可能性があるので、注意が必要です。