さまざまな製造現場の生産管理の指標として使われる「3σ」という言葉。
あまりにも当たり前に使われすぎていて、今更その意味を聞けない。そのような人も多いのでは?
そこでここでは、3σの意味や求め方を紹介します。
まずは「正規分布」を知ろう!
3σの意味を理解するためには、確率分布のひとつ「正規分布」を理解する必要があります。
例えば、10mの棒を工場で作る場合、その全てがぴったり10mで作れるわけではありません。
数mm、あるいは数cmのズレの発生は防げません。
そして、このズレの度合いを横軸長さ・縦軸サンプル数でプロットすると、「正規分布」に一般的に従います。
なお、この正規分布というのは、平均を頂点に、左右対称の山型のグラフで表されます。
要は、平均周辺に出来上がるものが一番多く、そこから外れたものが出来る確率が低いことを表す分布が、「正規分布」です。
ズレを表す指標が標準偏差「σ」!
平均からのズレ具合を表すのに使われるのが、「分散」や「標準偏差」です。
このうち分散は、平均値とそれぞれの値の差を2乗したものの平均値のことです。
やや面倒に思えるものの、決して計算するのが難しい数字ではありません。
そして、その分散の正の平方根を取った値が「標準偏差」で、これは一般的に「σ」と表されます。
つまり、この標準偏差σが大きいほど、その製品の仕上がりのばらつきが大きいことがわかります。
また、出来が正規分布に従う場合、平均値±σに入る値が生じる確率は約69%、±2σに入る確率は約96%、±3σに入る確率は約99.7%であることが数値計算上わかります。
つまり、正規分布に従う製品が、3σ以上作りがずれて出来上がる確率は、0.3%以下しかありません。
このように全体のほとんどは3σに入ると考えられるため、この3σという指標は製造現場の生産管理の指標のひとつとしてよく使われます。