映画「地下鉄(メトロ)に乗って」をご存じでしょうか。
浅田次郎原作の感動作「地下鉄に乗って」は、地下鉄で昭和の時代へタイムスリップし、少年時代に深い溝ができ長い間連絡を取っていなかった主人公が父の心を知るストーリー。
堤真一主演のファンタジー感漂うドラマで、篠原哲雄監督が浅田の小説を映画化しました。
東京メトロの協力で実車両を使用し、時代の変遷を忠実に再現しており、大沢たかおの見事な役づくりも魅力的な作品となっています。
始まって20分ほど経ってから見たのと、家事をやりながら・もともと理解力がないせいで、分からないところもありましたが感じたことや考察をまとめたいと思います。
メトロに乗ってみち子はなぜ自死を?【考察】
引用:Amazon
そもそも終盤で、みち子が母親を突き落とし、自分の存在を消滅させた理由が分からなかったのです。
彼女は「好きな人と、お母さんを天秤にかけていいか」と聞いていましたが、その「好きな人」とは堤真一のことですよね?
異母兄弟だということは分かりましたが、なぜ存在を消さなくても、会社を辞めるなりして、堤真一の元から去ればいいだけのことではないのでしょうか?
みち子は真次と血のつながりを知っていたのだと思います。
彼女は真次との関係にとても苦しんでいたのです。
血のつながりという現実を受け止めながらも、真次が好きで離れることもできなかったのです。
しかし、真次が血のつながりを知ったことで、彼は今後、みち子との関係や兄妹であったことを悩み苦しむことになるでしょう。
みち子自身もつらさから解放されたい、存在を消してしまいたいと思ったのかもしれません。
そこで、みち子にとっての幸せは、初めから存在しないことにして真次の記憶を消すことだと考えたのでしょう。
もちろん、目の前で両親のやりとりを聞いていれば、彼女の選択は理解できないかもしれません。
彼女自身が不倫をするようなキャラクターで、共感できない部分もあります。
ただし、物語の中において、みち子の選択は彼女にとっての唯一の道だったのかもしれません。
メトロに乗ってみち子はなぜ自死を?【考察】 まとめ
「地下鉄(メトロ)に乗って」について考察をまとめてきました。
心情や人間関係の複雑さを描いたこの映画については、理解するのが難しい箇所もあるかもしれません。
けれど、それぞれのキャラクターが抱える苦悩や選択の難しさを感じることができ、十分な映画体験ができました。