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ルロイ修道士の生き方や人柄は?

 

ルロイ修道士ってご存じですか。

井上ひさしさん作の短編小説「握手」に出てくる人物です。

「握手」という作品、国語の単元で出てくるので読んだことあるという方は多いはずです。

主人公は「わたし」です。

桜の散る頃、わたしは久しぶりにルロイ修道士と再会し彼と握手したときに昔ほどの力がなくなっていることに気づかされるのです。

児童養護施設・光ヶ丘天使園に迎え入れられた時の握手は力強かったのに。

「わたし」は、中学校三年生から高校卒業まで、この養護施設で暮らしていたのでした。

そしてルロイ修道士は園長だった。

大きくなったわたしが握手をすると、むしろルロイ修道士の方が力強さに痛がるようになっていたのです。

年齢もあるでしょうが、とはいえ衰えすぎです。

なんだか食欲も落ちている。

もしかしてというわたしの思った通り、ルロイ修道士は寿命が尽きようとしていました。

わたしたち教え子一人一人に会って、そして葉桜が終わるころに彼は亡くなったのでした。

レストランで会うもご飯もまともの食べられないほどに体力が限界に来ていたルロイ修道士、ですがそれでも元園児らを訪ねて回って。

子供への深い愛情が感じられます。

実はルロイ修道士、カナダからやってきて日本人にひどい仕打ちをされていたというのに。

それでも謙虚な姿勢が崩れることはありませんでした。

国籍とかにとらわれることなく、平等な人間観を持っていて。

そんなルロイ修道士、とても立派な人物ですがモデルとなった人物がいます。

そもそも「握手」という作品は井上ひさしさんの回想が元となったもの。

彼自身、児童養護施設の出身なのです。

戦前の日本で天使園を作り、それからずっと身寄りのない子供たちをお世話してきたルロイ修道士、時に厳しくでも愛情たっぷりのすばらしい人物でした。
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